Jeroboam Tasting report 〈staff〉

神戸元町のワインショップ“Jeroboam”のワイン・テイスティング・レポート。店長および当店スタッフによるレポートです。
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# フォラドーリ グラナート 2008
東アルプス山脈に位置するドロミテの固有種テロルデゴを徹底的に研究、その可能性の高さを世に知らしめたエリザベッタ・フォラドーリ女史が手掛けた傑作。初めて試したのは1993年物だったか・・先に飲んだ“スガルツォン”があまりにタニックで筋肉質のワインで素っ気ない印象だったこともあって、“グラナート”には濃厚な甘みを感じてすごく美味しく感じたのを憶えています。
11歳で父親を亡くし、ワイナリー存続という宿命を負ったエリザベッタさんが蔵を継承したのは20歳の頃。父親が残した素晴らしいテロルデゴ種のワインを飲み、それをさらに研究を重ね高めていこうと決意。バリック(小樽)の導入など当時のモダンなテクニックを使ったワインで年々高い評価を得るようになりました。その後も、彼女の研究を怠らない姿勢は変わらず、2002年からビオディナミ農法を取り入れるようになっています。現在のグラナートは上面開放型の大きな木製のタンクで発酵を行っていますが、他のワインにはアンフォラを導入したものもあります。
グラナート(ざくろ)という名がつけられたように、赤く美しく熟した果実の香り。梅やドライチェリー、ブラックベリー、スミレの砂糖漬・・朽ちかけの樹木の香りも。最良の葡萄だけが用いられているキュヴェだけに、うっとりするほどにピュアで甘い果実味、そして口中をキュッと締める酸。ほどよいタンニン。今すでに美味しいけれど、この美しいバランスはまだ何年でも保たれそうな感じ。そういえば、この品種をお客様に紹介する時、「香り高い葡萄ですが、タンニンが強めで少しスパイシーな印象、余韻に土っぽさを感じる・・」とか言っていました。フォラドーリのワインを飲む度に、もっと洗練された印象だと感じたのに、認識がアップデートされていなかったようです。そう、“洗練”という言葉がぴったりなワイン。造りはよりナチュラルな方向に、エリザベッタさんが目指す高み、“洗練”をこれからも見届けていきたいと思います。

(機会があれば飲んでみてほしいワイン 投稿:安藤博文)

ワイナリー公式サイトhttp://www.elisabettaforadori.com/
ちなみにワイナリーの場所はこちらから
| comments(0) | - | 23:29 | category: イタリアの赤 |
# シャトー・ジャン・フォー ブラン 2011
有名な樽会社ソーリーの元経営者、パスカル・コロット氏がボルドー、サント・ラドゥゴンドで運営している小規模シャトー。ビオロジック栽培によるソーヴィニヨン・ブラン種85%、セミヨン種15%を使用して少量生産。"良い樽の香り"とでもいうのか、高級感のある香りはこのシャトーが2002年以降手がけてきた赤ワインと同様の印象。ただ、ボルドーのハイレンジの白ワインの中でこのワインが少し違う感じがするのは、乳酸発酵が進み過ぎないよう仕上げられているのか、樽熟による円やかさや芳しさはあってもレモンのような爽やかな香りときれいに伸びてくる酸が残っていて、重ぐるしくならないように出来ています。同じソーヴィニヨン・ブラン種を用いるロワールのサンセールの良い部分をボルドーのスタイルに取り入れた感じ?古い歴史をもつ産地の新しい生産者が、うまく今の時代に合ったワインを作り出しました。
適度な重さをもった辛口のワインです。抜栓してしばらくは味わいの硬さが目立ちますが、数時間後バランスがとれて、とても美味しくなりました。その後3、4日良い状態が続いています。

(機会があれば飲んでみてほしいワイン 投稿:安藤博文)
ジェロボアムへの入荷は12本。価格は税込4300円です。 (シャトー公式サイト)



 
| comments(0) | - | 22:29 | category: フランスの白ワイン |
# Frants Saumon / Rouge 2012
トゥーレーヌを中心に活躍する若手醸造家、ソーモン氏が買い付けた上質なピノ・ノワールから生み出された赤。グラスに注ぐとピノと思えない、黒みのある深く濃い色調。そして、その香りも、ピノがもつ愛らしいものではなくワイルドで南仏のワインを思わせる香り、しっかりとした味わいで渋みや酸味もしっかりと。
ピノ・ノワールが飲みたい人にはお薦めしませんがガッツリとしたご飯食べながらワインを飲みたい!という人にお薦めです。ドライでワイルドな味筋が血の気たっぷりのお食事を進ませてくれることでしょう。赤身の残った鴨や牛(赤身)なんかとは最高かと…。 
投稿:黒谷
| comments(0) | - | 01:21 | category: フランスの赤ワイン |
# 比較的お手ごろなボルドー3種

濃縮した黒果実の旨みとたっぷりのタンニン、引き締まった酒質で飲みごたえがあり、ブランデーやバニラを思わせる芳醇なブーケをもつ・・・世界中のワイン愛好家を魅了してきたボルドー産赤ワインのイメージです。世界の銘醸ワイン産地の代表で人気も高いので、良いものは価格もやや高め。ジェロボアムでも、掘り出し物を期待されているお客様が多いのをいつも感じてきたのですが、正直なところ“萌えなくて?” いえ、理由はいろいろありますが、実は、ボルドーは僕がワインにハマるキッカケとなった産地なので、僕自身の期待が大きいだけに、試飲のたびに“こんなんじゃない!”とがっかりすることが多く、ジェロボアムのボルドーの棚は“いまいちやる気なし”状態が続いてきたのです。この際、はっきり言っておきます。“低価格ボルドーに夢見てはいけない”。2000円台中盤でも希望はそれほど持てない・・ハズレた場合は、葡萄が未熟な場合に出るカメムシ臭にも似た青臭さが出たり、果実味・酒質が痩せこけた水っぽいものだったりします。でも・・
このテイスティングのページを始めるにあたって、最初の記事は・・やはりここからと思い、ボルドー産の3種の赤ワインをご紹介することにしました。

前置きが長くなりましたが、今日の3種は結構ハイレベル、掘り出し物のご紹介です。画像の左から・・
シャペル・ド・ポタンサック2009年
銘醸レオヴィル・ラスカーズと同じ所有者によるCh.ポタンサックのセカンド。堅実な印象のクリュ・ブルジョワのシャトーですがオフヴィンテージはハズレることもある・・ましてやセカンドは。それが・・さすがの優良年。上質なカベルネがもつ針葉樹のようなブーケをもち、葡萄の熟度も十分。ほどよい酸を含んでいるのでもう1年でも待てばより良い状態になりそうですが、今すでに美味。待てない。シンプルな牛肉の料理とともに味わいたい。(2700円)
ペイルドン・ラグラヴェット2009年
クラシックなポタンサックと違い、やや甘めと感じさせる濃度のある果実味と新樽(33%)由来のチョコやバニラを思わせるロースト香が、なんともゴージャスな雰囲気。カベルネ・ソーヴィニヨン種の比率が高いのですがメルロ種の豊満さが今は勝っていて、飲み比べた場合、ダークラム的に味の詰まったこちらを美味しいという方が多くなりそう。料理にはポタンサックのほうが合わせやすいのですが、これはこれで良く出来たワイン。(3200円)
レスプリ・ド・シャトー・ラニエ2011年
まず・・1300円、安すぎる。試飲前の期待感なし。でもラベルはマットな質感の紙でデザインも安っぽくない。資料によると、メルロ種主体のブレンドで樽熟成なし・・複雑さや濃さは望めない。これが当たるとすれば、健康的な果実感が詰めこまれた素直で親しみやすい完熟メルロのイメージ。カメムシがいたらアウト。・・で結果ですが・・何年か振りの1500円未満ボルドーでの採用決定。青臭さなし、補糖感なし、濃縮技術のいやらしさもそれほど感じない。少しくらいの樽熟成もしているのでは・・という味わいの落ち着きがあって普段使いにお薦めです。

最後に、ボルドー赤の飲用温度は20度以上で。冷やすとタンニン(渋み)がざらついて安っぽくなりますのでご注意を。投稿:安藤

| comments(0) | - | 21:52 | category: フランスの赤ワイン |